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MAMA & PAPA
DIARIES
いろんなママたちの子育て日記

世の中にはいろんなママやパパがいます。料理が得意なママ、都会でバリバリ働くママ、お子さんがたくさんいるママ...
環境が違ってもみんな同じママ。そんないろんなママたちの日常をちょっぴり覗き見してみませんか?クスッと笑えたり、
何かヒントになるコトがあるかも?!

甘木サカヱ

甘木サカヱさん ライター

一男一女の母である主婦ライター。自宅に1000冊以上の絵本蔵書を持つ絵本マニア。Twitterアカウント「よく眠りたまに色々考える主婦 甘木サカヱ」としてフォロワー約96000人。義理の両親との同居生活や育児、絵本についてなど軽妙なツイート、エッセイ等が人気。著書に「アラフォーになってようやく気づいたんだけど、私、たぶん向いてない。生きることに……」(KADOKAWA)など。

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読み聞かせがしんどい日の絵本?肩の力、抜いていきましょう

街路樹が少しずつ色づいて、秋の訪れを実感する日々です。

先日、とある育児系のwebサイトで、ひとりの絵本マニアとしてショックな記事が目に留まりました。
小さなお子さんを持つママにアンケートを取ると、かなりの割合の人が「絵本の読み聞かせがつらい」と回答した、という内容でした。

記事に目を通すと、どうやら「本当は読み聞かせをした方がいい/しなければならないのに、時間がない/疲れていてなかなかできない」というのが「読み聞かせがつらい」主な原因とのこと。

なるほど、確かに私も地域で絵本の読み聞かせ活動をしていて、乳幼児の親御さんたちから
「子どもが勝手にページをめくってしまったり、絵本をおもちゃにしてしまうので、ちゃんと順を追って絵本を読めない」
とか、
「疲れているときに長い絵本を読むのがつらい、ちゃんと読んであげないといけないとは思うんですが」
と相談を持ち掛けられたことがあります。

そんな時、決まって私はこう答えます。

「みなさん…真面目すぎます!」

お子さんのために絵本を読んであげたい、そのお気持ち、本当に尊く素晴らしいものです。
でも、読み聞かせ=義務 になってしまっては、親子ともども疲れてしまいます。
確かに、親子で絵本を一緒に読む時間は、子どもの脳の発達や国語能力に良い影響があるという研究結果があります。でも絵本って本来は、教材でも宿題でもなく、まずは何よりも、子ども(と、ついでに親も)を楽しませてくれる、豊かな遊びのためのツールであると思うのです。
今回は、ページを順序良く読めなくても、どのページから読んでも、そして疲れた夜の親の心にもやさしい、肩の力をすうっと抜いてくれる絵本たちを紹介します。

0~2歳児さんにおすすめ

叩けばどんどん楽しくなるし、叩けばどんどんともだち増える!

「たいこ」
樋勝朋美 ぶん・え

大きなたいこが一つ。それを樋勝朋美さんが描くユーモラスな動物?人間?たちが、トントコポコポンと叩いていきます。みんなで叩くリズムはだんだん大胆に、エキサイティングに盛り上がっていきます。
そこにワニがやってきて…?

短い中に起承転結のストーリーもちゃんとあり、教訓めいたものも含まれてはいるのですが、
例えば小さいお子さんがページを飛ばしても、どこから読んだとしても、
各ページがとっても楽しいリズムに溢れた場面になっているので大丈夫。
どこから読んでも、どんな読み方をしても楽しい、リズム絵本の大傑作です。

 

3~5歳児さんにおすすめ

目をつむっていても読める?とびきりシュールな名作絵本

「ごろごろにゃーん」
長新太 作・絵

ナンセンス絵本といえばこの人、長新太の代表作の一つがこの「ごろごろにゃーん」です。
絵本は最初から最後まで読まなければならない!ためになる教訓が含まれていなければならない!と思っている人がこの絵本を読んだら、頭から煙を噴き出して倒れてしまうのではないかしら。
なぜならこの絵本、絵に添えられた言葉は、一番最後のページを除いてずっと同じ。
「ごろごろにゃーん ごろごろにゃーん と ひこうきはとんでいきます」
この、口に出すと妙に心地の良い言葉の繰り返しとともに、一見荒いタッチで描かれた飛行機が、猫たちを乗せてあちらこちらを旅していきます。
大人からしたらこの絵本、決して色鮮やかでもなく、猫たちもなんだか目つきが悪くてかわいくない…
でも、このナンセンスでシュールな絵本が何十年もの間、幼い子どもたちの熱い支持を集め続けているのです。
疲れてもう何もしたくない夜、でも子どもに「絵本読んで!」とせがまれて…
そんな日にもこの絵本なら大丈夫、目をつぶっていても読めるのです!…なんて言ったら真面目な絵本愛好家の皆さんに怒られてしまうかもしれませんけどね。

6歳~におすすめ

意味もオチもなくていい、ふしぎな日常の淡々としたスケッチ

「レナレナ」
ハリエット・ヴァン・レーク 作 野坂悦子 訳

この絵本の主人公、レナレナはちょっと不思議な女の子。
ミミズの引っ越し用にミミズ箱をひとつ持っていたり、お手洗いの中で笛を吹いたり、
ぜひ一度人間の髪の毛をちょっぴり食べてみたいと思っているネズミに、気前よく自分の髪の毛をかじらせてあげたりします。
そんなレナレナの、どこかひょうひょうとした、なんとも力の抜けた日常の一コマが、見開き1ページ完結で描かれています。
疲れた日にはどこか適当なページを開いて一日分だけ読むもよし。
どんどん楽しくなって読みふけるもよし。
油断するとつい「~せねばならない」「~あるべき」で力みがち、がんじがらめになりがちな私たちの心を、レナレナと不思議な仲間たちが解きほぐしてくれるでしょう。

 

いつも時間やタスクに追われていると、つい絵本の時間まで義務感に縛られてしまうのも無理からぬことです。
そんな時は、読み聞かせをお休みしたっていいのです。好きな絵本の好きなページだけ!そんな読み方をしたって一向にかまわないのです。
絵本はいつだって、子どもたちを本棚で待っていてくれるのですから。

 

 

 

 

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