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MAMA & PAPA
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いろんなママたちの子育て日記

世の中にはいろんなママやパパがいます。料理が得意なママ、都会でバリバリ働くママ、お子さんがたくさんいるママ...
環境が違ってもみんな同じママ。そんないろんなママたちの日常をちょっぴり覗き見してみませんか?クスッと笑えたり、
何かヒントになるコトがあるかも?!

甘木サカヱ

甘木サカヱさん ライター

一男一女の母である主婦ライター。自宅に1000冊以上の絵本蔵書を持つ絵本マニア。Twitterアカウント「よく眠りたまに色々考える主婦 甘木サカヱ」としてフォロワー約96000人。義理の両親との同居生活や育児、絵本についてなど軽妙なツイート、エッセイ等が人気。著書に「アラフォーになってようやく気づいたんだけど、私、たぶん向いてない。生きることに……」(KADOKAWA)など。

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たまには大きな声で「イヤ!」の絵本

まるで梅雨があけたかのような暑さが続く日々ですね。

ただでさえ暑さや湿気で体の調子も崩しがちなこの頃。
大人も子どもも、園や学校、職場でいつでも「いい子」「いい人」でいることを求められて、ちょっと疲れてたりしませんか?

もちろん、いい子でいることはすてきな事。でも、たまには大声で思いっきり「いや!」「できない!」「言うことなんてききませーん!」と叫びたい日が、誰にでもあるのではないでしょうか。

今回は、「イヤ!知らない!」そんな気持ちに寄り添ってくれる絵本を選んでみました。

0〜2歳児さんにおすすめ

泣いたっていいじゃない。甘えたっていいじゃない。

「あーんあん」

せなけいこ さく・え

保育園に行くのはいいけれど、かあさんが帰っちゃうのはいやだよ!
大きな声で泣き出した男の子、涙は園のみんなにどんどん広がって、ついには海に!

自分の子どもが泣いていると、すぐに慰めて泣き止ませてあげたい…園の先生や周りの人に申し訳ない…とつい思ってしまうのは大人の常。
でも、もしかしたら、たまには思う存分大きな声であーんあん、と泣くこともいいんじゃないかな…そんなふうに思わせてくれる絵本です。

発売からなんと50年、超ロングセラーで愛され続けるこの絵本の魅力は、「泣いたらいけない、いい子じゃないといけない」という呪縛から、子どもだけでなく、大人の心までゆったりと解き放ってくれるところ。
お子さんの後追いや登園しぶりなどでお疲れのパパママにもおすすめの絵本です。

 

3〜5歳児さんにおすすめ

勇者きゅうりさんは、聞く耳持たずにずんずん進む。

「きゅうりさんあぶないよ」
スズキコージ

「きゅうりさん そっちへいったらあぶないよ ねずみがでるから」

家を飛び出しずんずん歩くきゅうりさん、道々で出会う動物たちみんなに忠告を受けても、どこ吹く風で歩き続けます。

サラリと一読しただけではよくわからないシュールな物語の世界ですが、注意深く絵を見ていくと、きゅうりさんが森や町の仲間から忠告を受けながらも、少しずつ武器や装備(?)を分け与えられ、パワーアップしていく様子がわかります。

そうしてついに「ねずみ」に出会うのですが…?

勇者が悪者を倒す物語、にしてはものすごくシュールで、驚くほどにシンプル。
それゆえに味わい深く、親も子も、つい何度もリピートしてしまう中毒性のある絵本です。
表紙から背表紙まで続くきゅうりさんの決意の歩みと、悪どい権力者である(多分)ねずみにNO!を突きつけるカッコよさを、ぜひ感じてみてください。

6歳〜におすすめ

とびきりいい子のお姫さまだって、イヤ!と言いたくなるのです。

「おひめさまになったワニ」

ローラ・エイミー・シュリッツ作 ブライアン・フロッカ絵 中野玲奈訳

7歳のコーラひめは、とびきり愛らしい美しいお姫さま。王さまお妃さま、それにお付きのものたちの期待を一身に受けて、立派な女王さまになるため、毎日休みなく勉強に運動、それから日に三度のお風呂にと、息つく暇もありません。

それでも責任を果たすため、口答えせず一生懸命がんばるコーラひめ。ある日とうとう疲れ果て(そりゃそうですよね)、せめてペットの犬が飼いたいとお願いします。でも、姫の心からのお願いにも、誰も耳を貸してくれません。
うんざりしたコーラひめの元にやってきたのは、なぜか犬ではなく大きなワニで…?

コーラひめとワニが入れ替わることにより引き起こされるドタバタが何ともおかしく、そして「結局大人たちは、コーラひめのことなんてちっとも見ていなかったんだ」と分かってしまいます。
生まれて初めて自由を手にしたお姫さまの解放感は、学校や習い事に忙殺されがちな現代っ子の心にも、強く響くのかもしれません。

破天荒なワニを味方に「NO!」を突きつけたコーラひめ。拍手喝采の結末をぜひ見届けてください。

 

これからしばらくは、大人も子どもも湿度や気温差で体調を崩しがちな季節ですね。
お休みの日は、お家でゆっくり絵本をめくってみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

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