MAMA & PAPA
DIARIES
いろんなママたちの子育て日記
環境が違ってもみんな同じママ。そんないろんなママたちの日常をちょっぴり覗き見してみませんか？クスッと笑えたり、
何かヒントになるコトがあるかも？！
一男一女の母である主婦ライター。自宅に1000冊以上の絵本蔵書を持つ絵本マニア。Twitterアカウント「よく眠りたまに色々考える主婦 甘木サカヱ」としてフォロワー約96000人。義理の両親との同居生活や育児、絵本についてなど軽妙なツイート、エッセイ等が人気。著書に「アラフォーになってようやく気づいたんだけど、私、たぶん向いてない。生きることに……」（KADOKAWA）など。
「おとな」っていいな！の絵本
春ももう目の前、卒業式や入学式など、子どもたちの成長が眩しい季節ですね。
子どもの頃はあんなに憧れていた「おとな」になった今、自分はかつて夢見ていたような大人になれているだろうか…
などと自問してしまう季節でもあります。
今回はそんな子どもの頃の、大人への憧れをいっぱい詰め込んだ絵本を選んでみました。
０〜２歳児さんにおすすめ
いらっしゃいいらっしゃい、なに屋さん？
「いらっしゃい」
せなけいこ
子どもの憧れ、ごっこ遊びの定番といえばお店屋さんです。
魚屋さんに八百屋さん、洋服屋さんにお菓子屋さん…
目の前にいっぱい品物を並べて、さあどれにしましょう？なんて遊んだ記憶が誰にもあるのではないでしょうか。
せなけいこさんのカラフルで工夫に満ちた貼り絵の数々が楽しいこの絵本、
これはかぼちゃ、これはカニ、これはエプロン…
どれがいい？と指さしながら、ものの名前を自然に覚えられるところもいいですね。
最後のページのぎっしりお店屋さんごっこの様子は、大人でもワクワクすること間違いなしです。
３〜５歳児さんにおすすめ
ひとりでお出かけ、へっちゃらです！
「まいごのモリーとわにのかばん」
文 こまつのぶひさ 絵 はたこうしろう
ひとりでお出かけ、なんて大人っぽい響き…！
ひつじのモリーは、ひとりでお出かけすると、たいてい迷子になってしまいます。
でもへっちゃら！モリーはちっともくじけません。喋るワニのかばんを相棒に、ずんずんどんどん進んでいきます。
お腹が空いても、喉が渇いても、帰り道がわからなくなっても…？
どんな時でも自信満々のモリーと、なんとも哀愁漂うワニのかばんコンビのやりとりはユーモアたっぷりで、思わずニヤリとしてしまいます。
さて、モリーとわにのかばんは、一体どうやってお家に帰り着くのでしょうか…？
一人でなんでもやりたい！というお年頃のお子さんにぴったりの絵本です。
6歳〜におすすめ
大人はきっと、なんでもできるんだもの
「わたしのおふね マギーB」
アイリーン・ハース さく え うちだ りさこ やく
「早く大人になりたい」と願うとき、子どもの心の中に描かれている「大人」は、現実の私たち成人男女より、ずっとずっとしっかりしていて、力強くて物知りで、万能なのではないでしょうか。
この絵本に登場する女の子、マーガレットは、ある日お星様にお願いします。
自分の名前をつけた船が欲しい、思いっきり海を走りたい、誰か仲良しを一緒に乗せて−
目が覚めると、その夢はすっかり叶っていました。船の名前はマギーB。果物の実る樹も、こぢんまりした台所も、ミルクをくれる山羊も、野菜の採れる畑もあります。
そうして可愛い弟のジェームス坊やと一緒に、マギーBは大海原へと帆を立てるのです。
この船の中では、何もかもがマーガレットの思う通り。暖かい素晴らしい食事も手際良く作れるし、ジェームス坊やのお世話だって完璧。ひどい嵐がやってきても、マーガレットがいれば何もかも大丈夫。
ため息が出るほどの万能ぶりを発揮するマーガレットですが、このお話が同じようなお話と比べて格段に深く印象に残るのは、
「マーガレットが最後まで家族のもとに帰ってこない」
からかもしれません。
ママやパパの元に帰って甘えることなく、明日も大海原へ船を駆り立てていく…
マーガレットの夢はいつ終わるのでしょうか。それとも、これは彼女の自立と家出のお話なのでしょうか…
そう考えると、少しゾクっとしてしまう気もするラストシーンです。
さて、関東では桜の季節ももう間近です。
子どもたちみんなが、新しい季節を希望を持って迎えられるようにと祈るばかりです。
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